第6回:著作権

クイズ

今回は著作権に関するクイズを出題しました。あなたは何問正解できたでしょうか?

問題文おさらい

次の問題に○×で答えてみよう!

  1. 好きな漫画のキャラクターの絵を描いてTwitterに投稿する行為は著作権侵害となる
  2. 著作権の保護期間は著作者の死後70年なので、200年前のクラシック音楽を収録したCDは自由に利用できる
  3. 新しい数学の定理を作り出したが、その数学式に著作権は発生しない

答え合わせ

  1.  ただ似せて描くだけでも著作権侵害となります。ただし、著作者が告訴しない限り罪に問われることはありません。多くの著作者は「黙認」しているというのが現状です。
  2. × CDを販売したレコード会社や、演奏者に対しても著作権が発生しています。楽曲の著作権が切れているからといって自由に利用できるとは限りません。
  3.  著作権は「創作的表現」に対して発生します。数学の定理は「アイディア」であり表現ではなく、式そのものは誰が書いても同じになるので創作性はありません。ただし、それを論文として発表すれば、論文には著作権が発生します。

iパスマスターTのiパストリビア #6

T


皆さんこんにちは!この記事の著作者、iパスマスターTです。
インターネットが発展した現代では、なんでもコピーして流布できてしまう……つまり、著作権なんて簡単に侵害されるし、侵害できてしまうのだ!
特に動画とか、音楽とか、その辺はよく理解しておいてくださいね。

某動画サイトの著作権侵害度を調べてみた

インターネット上では、Youtubeなどの動画サイトが根強い人気を誇っています。世界中でたくさんの人が動画を投稿していますよね
しかし、動画なんていうのは元々素人が簡単に作れるものではありません。絵や音声がたくさん必要です。著作権法に抵触せず、それを全て自前で用意している人が、果たしてどれだけいるのやら……

今回は、どことは言いませんがとある動画サイトのデイリー人気動画ランキングを確認し、アウトな動画がないかどうか、調べてみました!

どことは言いませんが…ちなみにこの画像は著作権フリーです
どことは言いませんが…ちなみにこの画像は著作権フリーです

具体的には、ランキング1〜50位までの動画をごく簡単に確認しています。

結果!!

著作権侵害をしている(またはその可能性があると思われる)動画

……50個中 40個!

ワオ。ざっくりですが、内訳は下の通りです。

ゲーム画面を録画したもの(プレイ動画)26
二次創作(イラスト、3Dモデルなど)8
TV番組や映画の映像、音声を利用したもの6
他人の楽曲やイラストを利用したもの2
他人の動画を転載1

(複数の項目に該当しているものもあるので、合計40にはなりません。また、ごく簡単にしか確認していないため、詳しく見ていけば数はさらに増えるかもしれません)
ゲームをプレイしている様子を動画にして投稿するのが、動画サイトではかなり流行っています。
が、ゲーム画面も立派な著作物なので、無断で動画を投稿すれば著作権侵害なのです。

ただし!

悪いことばかりでもない?

そういった動画を作る人はみな、その作品のファンであるはず。決して悪意があるわけではありません。
動画サイトで生まれるファン同士の交流の機会や、作品の宣伝効果を期待し、自身の作品に関する動画投稿を「公認」している作者・企業も近年では増えています。

例えば任天堂は、ゲームのプレイ動画やスクリーンショットの利用についてガイドラインを設けています。ガイドラインで定められた範囲内であれば、自由に利用して良いことになっています。

先ほどの表でも、26個のゲーム動画のうち10個は、製作者により動画投稿が公認されているゲームタイトルのものでした。(任天堂タイトル、Minecraftなど)
なので、これらの動画が著作権侵害で訴えられることはありません。
著作権侵害はあくまで親告罪。著作者があえて何も言わないようにすることでファンの輪が広がることもあるのです。

それとは対照的に、他人の動画を何の加工もなく丸々転載するとか、TV番組をそのまま流すといった行為は、明らかに悪質!盗用以外の何物でもなく、商業的にもマイナスでしかありません。
やろうと思えばなんでもコピーできてしまう昨今では、著作権を侵害したという事実よりも、作品や製作者に対する愛・リスペクトの有無が重要視される傾向にあるのです。

チャレンジ過去問

実際のITパスポート試験の過去問に挑戦!

著作者の権利である著作権が発生するのはどの時点か。
ア 著作物を創作したとき
イ 著作物を他人に譲渡したとき
ウ 著作物を複製したとき
エ 著作物を文化庁に登録したとき

平成27年度秋期 ITパスポート試験公開問題 問1

著作権は、著作物を作った瞬間に自動的に発生します。法的な手続きなどは必要ありません。
子どもの落書きだって、アドリブの鼻歌だって、勝手にパクっていいものではないのです。本人がそれを訴えない限り、罪に問われることはありませんが……。
というわけで、正解は「ア」です。